キスの文化と辛いときのハグ

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外で生活して戸惑うことの1つに「ハグの文化」と「キスの文化」があると思います。ハグとは、抱きしめることです。キスとはキスをすることですが、唇と唇を合わせるのではなく頬と頬を合わせるといった方が良いかもしれません。チークキスと呼ばれます。

中東ではチークキスは日常の挨拶。もちろんコロナ禍の今はその習慣も影を潜めていますが…。とはいえ、ハグやキスは中東だけの文化ではもちろんありません。ヨーロッパ圏ではかなりの国にキスの文化があると思います。アメリカではキスというより軽いハグのほうが一般的ですかね。

1. アラブ式のチークキスとは?

さて、ここでアラブ式のキスをご紹介したいと思います。アラブ式キスは、頬と頬を合わせてチュッチュと軽く (いや、かなり熱く?) 音を出すものです。下の写真はこちらからお借りしました。

女性同士のチークキス
男性同士のチークキス

ヨルダン式は、片頬に1回チュッ、もう片頬に1回チュッの合計2回です。レバノン式は、片頬に1回チュッ、もう片頬に1回チュッ、その後もう一度反対側の頬にチュッの合計3回です。シリア式は、片頬に1回チュッ、もう片頬に2回チュッチュッ。女性同士のチークキスは挨拶なので、親しくなくても初対面でもキスをします

親しい友達同士なら、この ”チュッチュ” の回数がむちゃくちゃ多くなります。片方に “チュッチュッチュッチュッチュッ” と4回5回、もう片方にも “チュッチュッチュッチュッチュッ” と4回5回。中東初心者だったころは、この回数の加減とかがよく分かりませんでした。相手がまだキスを続けているのにさっさと頬を離してしまったり、相手がもう終わっているのにまだ一人でキスをしていたり(笑)。ここ1年ほどはこのチークキスから遠ざかっていますので、また混乱しそうです。

中東では、家族間・親族間でこの種のキスは日常のことです。友人間でも出会えばキス。初めは戸惑っていた私も、今では挨拶にキスは付きものです。

2. アラブ世界で異性間のチークキスは可能か?

このチークキス、男性にするときは、いつ、誰に、どのようにしたらいいか悩みます。未婚の男女間ではこの種のキスはしません。握手のみか、あるいは敬虔な (?) イスラム教徒の場合は握手をせずに右手を左胸に当てて挨拶する男性も多いです。下の写真はこちらからお借りしました。

でもたとえば友達のお父さんとかには、チークキスをすることがあります。ただし、いつしたらいいのか、やっぱりタイミングには悩みます。とりあえずは握手で済まそうとするのですが、相手が顔を寄せてきて「お、来るな、来るな」と感じたら、私も仕方なくチュッチュッとします。

あとは…日本に一時帰国などをしていて久しぶりに友達に出会うような場合には、その友達が既婚男性の時はキスの挨拶をします。未婚の男性でもクリスチャンの友達の場合は、久しぶりに会った時の挨拶としてチークキスをすることもあるかな…。いずれにしても中東では、異性間のチークキスは、家族や親族、あるいは長年の友達など、相手とすごく親しいことが前提です。

未婚の男女間では基本的にチークキスをしないと言っても、もちろん子供は例外。男の子はぎゅっと抱きしめてキスしてあげなければなりません。じゃあ、一体男の子が何歳になってからはキスをしないほうがいいの? これはよく分かりません…。声変わりし始めた頃からかな…。

写真はこちらからお借りしました。

ま、こんなのはそもそも感覚であって、規則化はできないのですよね。でもキスの習慣のない国から来た私にとっては、ときに非常に奥深い “異文化” です。

私はもともと友達とべたべたしないタチだったので、こちらで腕を組みあったり、ハグしあったり、キスしたりということに最初はかなり抵抗がありました。でも中東は熱い国! 男性同士でも腕を組んで歩く国ですから…。同性間でベタベタするのは親しみの表われです。ほとんどの場合、ゲイやレズというわけではありませんので…念のため。

3. キスの文化は体臭に気を遣う

チークキスは体が密着するわけではありませんが、顔と顔を近づけるので、やっぱりニオイには気を遣います。だから中東では香水の文化が発達したんでしょうかね~。

かくいう私も、キスをする相手がその日シャワーを浴びたか浴びていないか分かってしまいます。シャワーを浴びていないニオイというものがあります。嫌な臭いではないけど、シャワーを今日は浴びていないなというニオイ。そんなわけで、中東に住んでいると、朝に必ずシャワーを浴びる習慣が身につきます。日本では断然、夜にお風呂に入る派だったんですがね。

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4. 中東でのハグ

中東では挨拶といえばキスなので、挨拶としてのハグはあまり一般的ではありません。でも親しい友達の間ではよくハグをします。とにかく距離が近いのが中東…(笑)。自分の領域がどんどん侵害されていきます。アラブのこのバウンダリー(境界線)を侵害する性質は、アラブ同士でもよく問題になります。ですから、アラブとの付き合いではきちんと線引きをすることも大切。

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5. キスやハグで愛情を表すことの大切さ

中東に限らず、海外では一般的にキスやハグで愛情を表すのはとても大切なことと考えられています。愛情なんて言わなくても伝わる、などという日本人的感覚のほうが珍しい文化だと思います。愛情は言葉と行動で伝えなければ伝わらない。日本人には照れ臭いですけれどね…。

私がヨルダンに住んでいた時に、3年間ルームメイトとして過ごしたフランス人の友達がいます。名前は仮にアメリちゃんとします。アメリちゃんにまつわる話は沢山ありますので、いずれ1つの記事にまとめたいと思うのですが、今日はアメリちゃんから学んだハグの文化について。

パリジェンヌのようにお高くとまっているフランス人とは違い、フランス南部出身のアメリちゃんはとても素朴で純粋な女の子でした。大人しくて優しいアメリちゃんにとって、アグレッシブ (押しが強くて攻撃的) なアラブと接することはけっこう大変なことでした。タクシーの運転手と喧嘩をしたり、アラブの言動にイライラしたりすることが続いて、「もうヨルダン嫌や~」「泣きたい~」とピーピー叫ぶこともしばしばでした。

ある時、ひとしきり彼女の愚痴を聞いてあげたことがあります。その後、私はいつものように自分の部屋でパソコンに向かって色々と作業をしていたのですが、ふと目をやるとアメリちゃんが私の部屋のドアにポツンと立っています。「何してんの?」と聞くと、アメリちゃんはひとこと「I need hugーーー (ハグしてほしいーーー)!!」…という訳で、よしよしと抱きしめてあげました。

私はハグの文化で育っていませんので、面と向かって「ハグしてほしい」と言われるとかなり戸惑います。そして壊れかけの機械のようにぎこちなくなってしまう(笑)。でも同時に「ハグしてほしいーーー」と素直に言えるアメリちゃんが可愛いと思います。

文化の違いって面白いですよね~。私は外国人の中に住んでけっこうな年月になりますが、「ハグしてほしいーーー」とはばからずに言える域にはとうてい到達しておりません。でもつらい時に「I need hug」なんて素直に言えると、けっこうラクかもしれません。というわけで、アメリちゃんのストレス対応術に文化の違いを見た私でありました。

6. 郷に入りては郷に従え

中東ではけっこう平気でベタベタできる私ですが、DNA にはやはり大和魂が流れております。ですから日本に帰ったら、速攻で日本人になりきります。キスもハグも一切なし。ま、日本で純日本人の顔をしてキスやハグをしていたら、やっぱりおかしいと思われますしね。

それから中東でもコロナ禍でキスやハグをしなくなって1年以上が経ちます。これ、日本人の私には全く問題ないことです。でもトルコ人やアラブにはけっこう辛い試練かもしれません。

何にせよ、郷に入りては郷に従え。海外で他の人の文化から学ぶのも、非常に興味深い経験なのであります。

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