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私は子なし・家庭なしの独身45歳、現在はトルコで一人暮らしです。日本ではこんな風に自分を紹介しても、それほど不思議がられることはないかと思いますが(←多分)…中東ではほぼあり得ないことです。なんせ初対面の人にでも「何歳? 結婚しているの? 子供は何人? 夫はどこの国の人?」なんて普通に聞かれるのが中東。
そんな中東の “群れる” 文化と合わせて、私が “おひとりさま” である理由などにも少し触れたいと思います。
1. 中東では独身は誰も好まない選択肢
中東 (特にアラブ世界) では、年齢を聞くのは挨拶の一部みたいなものです。タクシーに乗り込むと、ドライバーからこれを聞かれないことのほうが珍しい。アンタにプライベートな情報を教える義務はない! と思ってしまいますが…(笑)。トルコ人はアラブよりは少し控えめで、アラブほど図々しくは聞いてきませんが、ま、文化的には同じような感じです。
こうした質問に「結婚していない、したことない、したくない」「45歳」なんて答えようものなら、もう相手は目を大きく見開いて「なんで結婚していない? 子供は欲しくないのか? 子供を産まないなんて信じられない!」などなど、もう騒がしいことこの上ありません。
この辺、トルコ人はアラブほどズケズケと自分の意見を押し付けはしませんが、反応的には同じ。つまり結婚して子供を産んでないと「なんで?」とすぐに返ってくる。理由なんて特にないし、あったところで初対面の人に言うハズもないのですが…(笑)。
しかし、アラブ世界では半数以上 (いや、もしかすると3分の2以上?) の結婚がうまく行っていないのに、結婚への執着はすごいです。結婚しないと一人前とみられない。そういう文化ですね。日本もそうでしたよね? 今でこそ晩婚化・未婚化といわれますが…。
シリア人の中にはいまだに16歳や17歳で娘を結婚させる家庭も珍しくありません。17歳くらいで子供を産み始める人生なんて、可哀そうと思ってしまいますが、彼らにとっては45歳で結婚していない女性なんて哀れとしかいいようがないのです(笑)。前の記事でも書きましたが、アラブ世界では独身で売れ残るよりは第二婦人でもなる方が世間体が良いのです (イスラム教徒の男性は4名まで妻を持てます)。
中東で13年も暮らすとこうした反応も平気になり、適当にあしらえるようになりましたが、中東初心者の頃は相手の反応に私のほうがビビッていました。日本では見知らぬ人に年齢とか聞かれることないし! っていうか、そもそも失礼やん、それ! でもこれが中東。
2. アラブは “群れる” 文化
アラブは、一人でいることが耐えられないのです。いつも周りに誰かがいないといけません。まだヨルダン大学でアラビア語を勉強していた頃 (つまりヨルダン時代のごく初期)、このテーマでクラス中が白熱したことがあります。ポーランド人のクラスメートの発言。
「僕、一人になるのが好きなんだけど…。一人でいたらアラブから変な目で見られるんだよね。”嫌われ者” とか “可哀そうな人” って映るみたい」。この彼、″嫌われ者″ なんてとんでもない。博識で友達も多く、でも一人でよくワディラムの砂漠に出かけていったりと、私から見たらかなりバランスの取れた人でした。でもアラブからすると彼は “可哀そうな人”。
そうなんですよね~。アラブの文化は “群れる” 文化。一人で何かをするという発想はありません。この群れる習性については、以前の記事でも扱ったことがあります。
3. “群れる” 文化の弊害とは
でも私が愛読するある雑誌の中にはこんなコメントが。
Extreme sociability wastes time and makes one seem lost when alone. One who cannot be alone is shallow. Small wonder that he is bored by his own company. A person of inner wealth often desires privacy and retires to be alone.
訳しますと、「行き過ぎた社交性を持つ人は時間を無駄にしており、一人になるとどうして良いか分からなくなります。一人でいることができない人は思考が浅い人です。そのため一人でいることに退屈します。内面が充実している人はプライバシーを渇望し、一人になるための時間を取ろうとします」(英文の太字は私の独断。悪しからず)。
そうなんです、そうなんです。これが言いたかった! でもアラブたちよ、君たちには分からんだろうなぁ。「一人でいることができない人は思考が浅い人です。」 おお、まさにアラブ。思考が浅く、よくいえば単純、でも深く考えることができません。プライバシーを求めるのは ″inner wealth” (内面の充実あるいは心の豊かさ) がある証拠なんですよーだ!
ヨルダンに来てしばらくはアラブの文化に溶け込もうと一生懸命でしたが、やがて「自分は自分」でいないと疲れることに気付きました。日本人はすぐに自分を見失って相手に合わせようとする傾向があるかもしれません。海外にいると、相手に合わせるのではなく、自分というものを確立する必要があります。「自分は自分」でいられるようになると、とても楽です。
4. “おひとりさま” だけど、人間は好き!
で、私って本当に一人で平気な人なのです。これは生まれ持ったものというか…そういうタイプなので、どちらが良いとか悪いとかいうことではありません。私は「寂しい」とか「人恋しい」という感情とは無縁なタイプ。
これまで女友達とルームシェアしたことは何回かありますが、やっぱり一人暮らしのほうが し・あ・わ・せ♡ と思ってしまいます。もちろんルームメイトがいた時はそれはそれで楽しく、良い思い出もたくさんあります。その話は追い追い記事にしたいと思います。でもやっぱり一人暮らしが好き!
「一人なの? 寂しくない? かわいそう!!」と同情してくれる人もいますが、いえいえ、一人が好きなんです! …といっても通じない人もいるので、そういう場合は放っておきます。でも、あくまで家で住むには一人がいいという話で、人間は好きです。だからこそ中東に13年もいるわけで…。
濃厚な人間関係にさらされる中東では、人間嫌いには苦しい場所。私は人間が好きで非常に関心があるので、多分観察しすぎて疲れるのだと思います。目に見えない所で人知れず気を遣ったり…。だからこそ、一人で過ごす時間は私にとって充電のために絶対欠かせません。一人で過ごす時間がないと、ストレスがたまり、自分が自分でなくなる気がします。これはコロナ前もコロナ後も一緒。
5. 45歳の “独女” が独女を貫く理由
一人になる時間が必要なのと結婚するのとは話が別、といわれる方もいるかもしれません。結婚しても夫婦それぞれプライベートな時間を作れば良いわけで。じゃあ自分がなぜ結婚しないのか??? 深い理由があるわけではありませんが、幾つか理由をあえて挙げるとすると…
- 一人で寂しいという感情がない
- 尊敬できる男性がいない
- 誰かに頼る必要性を感じない
- つまり結婚に全くメリットが感じられない
と、まぁ典型的な可愛げのない「独女」なんでしょうね~。尊敬できない男性と暮らすメリットが全く見つからない…。強すぎるんでしょうね~。男性はますます軟弱に、女性はますます強壮に…というのが現在の日本なのかな。いや、私がそう思うだけ? というか私が強すぎるのか?
まぁ、人生というのは人それぞれですから、結婚しない人がいてもいいと思います。結婚も良し、独身も良し、どちらも良し。あとは個人の選択ということで…。
6. 「高嶺の花になりなさい」という母の教え
私の母は私にどうしても結婚してほしかったので、何度も何度も「結婚してほしい」と言っていましたが、そういわれたところで尊敬できる男性がいないと結婚のしようもないわけです。
そんな母は比較的若くして亡くなってしまったので…、今は誰からもプレッシャーをかけられることがなく、我が道を行くようになってしまいました。母が生きていたら、もう少し真剣に考えたのかもしれません。ごめんね、お母さん、あなたの娘はいまだに独身です…。
ところで、面白いことに私の母は私が20代の頃は口を酸っぱくして「男性に簡単に声をかけられるような女になりなさんな。高嶺の花になりなさい!」と言っていました。ところが私が30代半ばを過ぎたころからでしょうか、「誰でもいいから結婚して」と言い始めました。なんと一貫性のない教え(笑)。
この母の教えが特に私に影響を与えたわけではありません。私はそんなに美人でもないし、高嶺の花になれといわれても、そんな特別な何かを持ち合わせてもいませんでしたので…。ただ、この一貫性のなさは、娘を思う親心から出ていたんだろうな~と思います。
ちなみに私の背は173センチと高かったので、そういう意味ではほとんどがチビちゃんの日本人男性からは近づきがたい存在であったことは確かだと思います(笑)。大きく産んでもらったことには感謝しています。海外では背が高い方がいろんな意味でトク!
7. アラブだけが “群れる” 文化ではない
さて、アラブは明らかに「群れる」文化ですが、アメリカの文化もかなりの程度「群れる」文化だと思います。ま、これもその人のタイプによるので一概にひとまとめにはできませんが…。でも私が知っているアメリカ人たちはいつでもどこでも誰かと一緒にいる。いつも群れています。たまたま私の周りにいるアメリカ人がそうなんでしょうか…? 一人で行動できんのか? と思ってしまいます。アメリカの文化は私には合いません…。
アラブの文化はそういうものだと分かっているので特に何とも思いませんが、アメリカは「個」の文化である素振りをしながら実際には全くそうではないというギャップがどうも気に入りません(笑)。
合わない人と一緒に時間を過ごすより一人でいた方がいい…これも私の持論で、アメリカ人とはあんまり関わらないようにしています。
8. “おひとりさま” は友達を大切にする!
そんな偏屈な (?) 私の周りには、なぜかフランス人がいつもたくさんいます。これは自分でも理解できない7不思議です。というのも、フランスに憧れているわけでもないし、 フランス語が話せるわけでもない、むしろフランス人の集団としての気質はそんなに好きじゃない。なので、フランス人の友達が多いのはきっとたまたまなのでしょう。
でも友達には恵まれていると思います。海外では信頼できる良い友達が絶対に必要です。信頼できる友達からのアドバイスによって何度も救われてきました。基本的には「一匹狼」の私ですが、友達の大切さはいつも実感しています。私の周りにいるまたとない大切な友達については、このブログ上でも少しずつご紹介していければと思っております。
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