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今回ご紹介するのは、実際に私をご利用いただいたお客様の体験です。お客様ご本人による旅行記も外部サイトにて公開されています。☛ フォートラベルの旅行記はこちら https://4travel.jp/travelogue/12038835
2026 年 2 月 28 日。
アメリカとイスラエルがイランを攻撃しました。
中東全体が一気に緊張状態に入り、湾岸諸国では空港が次々と閉鎖。フライトのキャンセルが相次ぎました。
そのとき、私のお客様はヨルダン旅行真っ最中でした。お客様は団体ツアーではなく、ヨルダン個人旅行でした。ペトラ、ワディラム…と順調に旅を続けていただいていた矢先のことです。突然フライトがキャンセルされ、日本へ帰るルートが消えました。
こういうとき、ツアーコンサルタントは何をするのか。今回はそのとき私が実際に行った対応について書いてみたいと思います。これは、特殊な状況ではなくても普段からお客様のご旅行の裏側でいつもやっていることですが、ツアーコンサルタントとしての仕事の内容を知っていただくことができる良い例かなと思っています。
その前にまず、中東という場所の特性について書きたいと思います。
中東では予定は未定
私はお客様にいつもこうお伝えしています。
「中東では予定は未定です」
これは中東がどこも危険だとか行程がいい加減だとか意味ではありません。もちろん旅行の行程表は作ります。ホテルも専用車もガイドも、現地旅行会社を通してすべて事前に手配します。
しかし中東では、
- 政治情勢
- 治安状況
- 交通事情
- 空港の状況
などによって、その場で判断が必要になることも少なくありません。
ヨルダンやエジプトを訪れる旅行者の中には、女性の一人旅の方や英語に自信がなく個人旅行に不安を感じている方も少なくありません。そのため、私は現地のツアーコンサルタント/コーディネーターとして、地域の情勢を確認しながら柔軟に調整し、安心して旅行できるようサポートしています。
ヨルダン旅行中に戦争のニュースが入ったとき、私がまず確認したこと
戦争のニュースが入ったとき、私がまず行ったのは現地の状況の確認でした。
- 空港はどうなっているか
- 国境は閉鎖されていないか
- 道路状況
- 治安状況
を現地旅行会社と確認しました。そのうえでお客様の行程を見直しました。
例えば数日後の行程には北部のアジュルーンへの移動も含まれていたため、「今の状況で近づくべきか」を慎重に検討しました。
その結果、「アジュルーン訪問は控えた方がよい」と判断しました。北部にあるアメリカの軍事基地が 2 度攻撃されていたからです。
そこでお客様にはこのようにお伝えしました。

観光をすべて止める必要はありません。しかし近づくべき場所とそうでない場所を見極めることが必要な時があります。もちろん、結果的にアジュルーンに行っていただくこともできたと思っています。ただ、何かあってからでは遅い。今回のような緊急事態では、リスクと思えるものを避けていただくようにしました。
その判断をするのがツアーコンサルタントの仕事です。
フライトが次々キャンセル―ヨーロッパ経由を提案
今回のケースでは、イランが報復として湾岸諸国にあるアメリカ軍基地を攻撃し始めました。ドバイ、アブダビ、カタールのドーハなどの空港がことごとく一斉に封鎖状態。
こうした空港は普段、ヨルダン出入国のハブとなります。これらが閉鎖されるとなると、お客様が日本に帰る道が絶たれることになります。お客様から、フライトがキャンセルになったというご連絡を受けて、別のルートでのフライトをご提案しました。
ヨーロッパ諸国は戦渦に巻き込まれていませんので、アンマン→イスタンブール→パリ、ミラノ、ロンドンなどヨーロッパ経由をご提案。フライトが取れるサイトをお客様にお送りして、ご自身でご予約をお願いしました。
お客様とお電話でお話ししている間にも、こうしたフライトがどんどん埋まっていきます。それに合わせて、別のルートを提案します。この時ばかりは、私もドキドキ、フライトが取れますようにと祈るような気持ちでした。その時のやり取りの一部がこちらです。

お客様がお取りになったのは、アンマン→イスタンブール→ロンドン経由のフライト。ただ残念なことに、後からこれらのフライトが 1 日ずれることになったので、その時点でお客様はパリへの直行便 (かなり割高) を取り直されました。
空港に向かう時間も状況で判断
さらに帰国便についても状況を確認しました。
中東では情勢が変わると
- 空港閉鎖
- 国境閉鎖
- フライト変更
が起きることもあります。そのため、お客様には以下のようにお伝えしました。

また、今回は空港が閉鎖される事態も発生していましたので、早く着けばいいというものではないことも理解していました。それで、

と具体的にアドバイスしました。こうした細かい判断の積み重ねが旅の安心につながります。
一方で、アンマンでは日本人ツアーが足止め
一方、アンマンでは日本の団体ツアーの方々がすでに 3 日間足止めされていました。しかも帰国の見込みが全く立っていない状況だそうです。ホテルはもちろん自費。
実際に私のお客様からこんな話を聞きました。

中東ではこうした状況が現実に起こります。ヨルダンに限らず、現在ドバイなどの湾岸エリアではこうしたことが実際に起きています。
それでもお客様は観光を続けることができた
一方、私のお客様は予定していた観光をほぼ問題なく続けることができました。もともとのフライトがキャンセルとなり、アンマン泊が 1 泊増えたので、お客様のご要望に応じて専用車を追加でアレンジし、お客様が個人的にお取りになったホテルとも連絡を取りました。




個人旅行だからこそできる柔軟な対応
今回のケースでは、団体ツアーと個人手配の違いもはっきりと現れました。
現地で足止めされていた団体ツアーの方は、
・帰国便が確定していない
・添乗員の判断で待機
・個別の対応が難しい
といった状況に置かれていました。
一方で個人旅行の場合は、その都度状況に応じて判断し、柔軟に対応することが可能です。
実際にお客様も、現地で次のように感じられています。
そうかー、ツアーこそ、大変なんだ。団体行動だからね。まだ、個人旅行の方が融通が利くのかもしれないと感じた。
引用元: 4 Travel 旅行記
戦争発生時にヨルダンご旅行中だったお客様のご感想(抜粋)
「帰りの飛行機の大韓航空がスマホにキャンセルを知らせてきましたので、びっくりして木村さんに LINE しました。するとすぐに対応してくださり、『今はヨルダンは平常なので観光を楽しんでください』と声をかけていただき、勇気づけられました」
「夜に LINE 電話で相談に乗っていただき、Trip.com の HP を送っていただきながら、別ルートの飛行機を買い直すことができました」
「次の日、また飛行機がキャンセルになり焦りましたが、その際も素早くアドバイスをいただき、最終的に無事帰国することができました」
「HPに書いてある “24時間日本語対応・LINE対応” が本当だと実感しました」
☛ 原文より一部抜粋
お客様のメッセージ全文は別記事でご紹介しています。☛ 中東で戦争が起きた!緊迫した状況下でのヨルダン旅行体験記
言葉と文化の違いによる誤解
さて、戦争の影響でフライトが延期され、アンマンに1日長く滞在されることになったお客様。ピンクレイクとワディ・ヌメイラでのウォーキング、サルト市散策を追加しました。ただ、そこで中東あるあるの小さな問題が生じました。
ピンクレイクでは、お客様のご希望としては、レイクの近くまで降り、少し歩いて塩の橋まで見学される予定でした。私も当然そうしていただくつもりでした。しかし実際には、下まで降りずに遠くから写真を撮られただけでした。
なぜなのかお聞きしますと、ドライバーが「降りられない」と言ったからだという説明でした。お客様のほうは、「ドライバーは面倒だから行きたくないのでは」「ラマダン中で疲れていたから、ドライバーがちょっと怠けたのかな」と思われたようです。とても残念だったと、その日の終わりにメッセージをいただきました。
そこで私はドライバーにも確認しました。

すると実際の意味はこうでした。
「僕は一緒に降りられないといったんだ。あそこは坂道で危ない。だから行くなら自己責任で行ってほしいと伝えたんだ。観光用に整備された場所ではないので、僕は責任を負えない」
つまり「ピンクレイクには降りれない」のではなく、「責任を負えない場所なので自分は同行できない」という意味だったのです。どちらも英語が第 1 言語ではありませんし、特にお客様は英語を一切話されません。
この微妙なニュアンスの差が、誤解や不満のもととなります。お客様のほうには、ドライバーの真意とニュアンスを説明して、納得していただきました。
小さな誤解が、大きなクレームになる前に
こうした誤解は中東ではよく起こります。こうしたニュアンスは、言葉だけでなく文化の違いもあるため、そのままでは誤解が生まれやすいのです。
しかし私は
- お客様の側にも説明し
- ドライバーの意図も確認し
- 双方のニュアンスを伝える
という調整を行います。
これはとても小さなことに見えるかもしれません。ですが、このような誤解をその場で解くことで、小さなもやもやをすぐに解決できます。そして、ご旅行後のクレームを防ぐことができます。
私はこの仕事を 18 年間続けていますが、ありがたいことに、これまでインターネット上で大きなトラブルやクレームとして残るような出来事はほとんどありません。
これは特別なことではなく、小さな誤解をその場で丁寧に解くことを大切にしているからだと思っています。
非常事態は戦争だけではない
今回のような戦争という非常事態だけではなく、私の仕事には日常のトラブル対応も含まれます。海外旅行では、思わぬことが起きることがあります。
- 体調を崩す
- 病院に行く必要がある
- 薬が必要になる
- 現地の医療事情が分からない
こうしたとき、日本から来た旅行者にとって一番困るのは「どこに行けばいいのか分からない」ということです。
実際に以前、お客様の一人がヨルダン滞在中に耳の炎症を起こし、急きょ病院で処置を受けることになりました。そのときも、現地で信頼できる病院をご紹介し、受診のサポートを行いました。
その際も
- 病院の紹介
- 現地調整
- 心理的サポート
- 通訳
- 深夜のお電話
などでサポートを行いました。
そのお客様からは「菜穂子さんに旅行の手配をお願いして本当に良かった」というメッセージをいただきました。

旅行中のトラブルは、必ずしもニュースになるような大きな出来事とは限りません。しかし、実際に旅行をしている人にとっては、その瞬間が一番不安な時間です。
だからこそ私は、
- 非常事態
- 医療トラブル
- 行程変更
- 現地調整
すべてを含めて「旅を成立させるサポート」を行っています。
個人旅行だからこその対応
団体ツアーは人数が多く、行程も固定されているため、個別の状況に応じた柔軟な対応が難しいことがあります。
一方、私のお客様の場合は個人旅行です。そして私は現地在住の経験があることから、現地の状況に通じています。また現地旅行会社と気心の知れた親しい関係を築いています。
そのため
- 行程変更
- 観光地の調整
- 空港移動時間の調整
- 現地旅行会社との交渉
などを、状況に応じて柔軟に行うことができます。
今回もその結果、お客様から次のようなメッセージをいただきました。


こうした言葉をいただけるのは、本当にありがたいことです。
なお今回のお客様は、以前に私をご利用いただいたお客様がフォートラベルに投稿された旅行記をご覧になり、お問い合わせいただいた方です。そして今回、ご自身でも同様に旅行記を公開されています。
中東旅行は「現地判断」がとても重要
中東旅行では、予定通りに進むことよりも、その場の判断のほうが重要になることがあります。
- 治安状況
- 空港の運用
- 交通事情
- 政治情勢
これらは日々変わります。
だからこそ、現地で状況を見ながら旅行をサポートする人間がいることが、旅行の安心につながると私は考えています。
ツアーコンサルタントという仕事
ツアーコンサルタントという言葉は、日本ではまだあまり馴染みがないかもしれません。しかし私の仕事は、
旅行を「売る」ことではなく、旅行を「成立させる」こと
です。
ここが大手の旅行会社と異なる点です。旅行会社は主にツアーを販売します。しかし私は現地で旅行をサポートするツアーコンサルタント/コンシェルジュです。現地旅行会社と直接やり取りをしながら、旅行前から旅行中、そしてご帰国までお客様の旅をサポートしています。実際には、
- 行程作成
- 現地調整
- トラブル対応
- 情勢判断
- 言語と文化の橋渡し
- 心理的サポート
などを行っています。
ツアーコンサルタントとしての仕事に関して、さらに詳しくはこちら→中近東ツアーの Q & A
「予定は未定」の中東で
中東では、予定通りに進むことが大切なのではなく、その場で正しい判断をすることが大切になることがあります。
だから、最初に書いたように私はいつもお客様にこうお伝えしています。
「中東では予定は未定です」
その言葉の意味は、実際に旅をしてみた方にはきっとお分かりいただけると思います。そしてその「予定は未定」の中東で、旅が滞りなく続いていくように支えることがツアーコンサルタントとしての私の仕事です。
今回ご紹介したお客様の体験は、フォートラベルにてご本人が詳しく公開されています。実際の旅行の様子や当時の状況については、ぜひそちらもご覧ください。
☛ フォートラベル旅行記はこちら https://4travel.jp/travelogue/12038835
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