ヨルダン発「エルサレム日帰りツアー」は本当に可能なのか?

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ヨルダン旅行を計画していると、「イスラエルは隣国だし、エルサレムまで日帰りで行けるのでは?」と考える方は少なくありません。

実際に「ヨルダン発 エルサレム日帰りツアー」という言葉で検索される方も多いようです。さらに、「ヨルダン発のエルサレム日帰りツアー」をうたう旅行会社を見かけることもあります。

しかし――

現地事情を踏まえると、私はこのプランを決しておすすめしません。結論から言えば、

理論上は不可能ではありませんが、リスクが大きすぎる

というのが実情です。これが、現地で何度も国境越えを経験してきた私の率直な答えです。

地図上では近い。でも「国境」は別物

ヨルダンとイスラエルは、死海を挟んで隣り合っています。地図を見ると、「すぐそこ」に見えるのも事実です。

下の地図には、死海付近にある国境に印をつけました。青のアイコンがヨルダン側のキングフセイン橋、赤のアイコンがイスラエル側のアレンビー橋。この区間は、国境越え専用のシャトルバスで移動します。

「橋」とは言っても、実態は極めて厳格な国境検問所です。


最大の問題は「読めない国境越え時間」

ヨルダン側の出国手続きは比較的簡単です。とはいえ、丁寧な指示などはありません。

以前に来られたお客様は「国境での手続きも説明看板等は全くなく、ハニーさん(ドライバー)が、バスに乗るところまで全部助けてくれました。私達だけではきっと分からなかったと思います」とフィードバックを送ってくださいました。

ヨルダン側で求められるのは…

  • パスポート提示
  • 出国税 (10JD) 支払い
  • シャトルバスで国境区間を移動

そして、問題はイスラエル側の入国審査です。ちょうど空港の入国審査と同じような手続きを経ますが、あっちやこっちで並ぶ必要があり、時間がかかることが多いです。

さらに、この死海の国境はアラブ系渡航者が利用できる唯一の地上国境であるため、常に混雑しやすいという特徴があります。

実際の待ち時間例

  • お客様:4時間待ち
  • 私自身:3時間待ち

――いずれも珍しい話ではありません。

もちろん、国境越えの手続きが比較的スムーズに終わる時もあります。でも、それが読めないのが国境越え。


日帰りは「理論上」成立しても「現実的」ではない

仮にスムーズにいったとしても、

  • 国境越えで数時間
  • そこからエルサレムまで約 45 分
  • 体力はすでに消耗状態

この時点で、観光に使える時間はほとんど残っていません。

日帰りの場合、

  • 入国に苦労
  • 観光は1〜2時間
  • すぐにまた国境へ戻る

という本末転倒な結果になりがちです。

さらに付け加えますと、この国境は事前の予告なしに突然封鎖されることがあります。国境封鎖はイスラエル側の一存であることが多いのですが、突然封鎖されると動きが取れなくなります。ですから、フライトがある日にイスラエルからヨルダンに移動するなどのご日程は、かなりのリスクとなります。

また、イスラエル側の祝日などと重なるときも国境の開閉時間が変わることがあります。


金曜・土曜は「完全に不可能」

特に注意していただきたいのが曜日です。

  • 金曜・土曜:👉 死海国境は午前中で閉鎖

この曜日に「エルサレム日帰り可」とうたっているツアーがあれば、現地事情を 100% 理解していません。


「エルサレム 1 泊」でも要注意

「じゃあ 1 泊ならいいのでは?」と思われるかもしれませんが、ここにも落とし穴があります。

  • 午後エルサレム着
  • 翌朝すぐ出国

この行程では、実質観光時間は数時間のみ。ツアー関係者としては、正直「あり得ない」内容です。


本当におすすめしたいエルサレム滞在

私が自信を持っておすすめするのは、

  • 最低1泊 (できれば2泊以上)
  • 丸 1 日のエルサレム観光日を確保

エルサレムは、数時間で制覇できる街ではありません。欲を言えば 4 泊でも足りないのがエルサレム。


欲張らない旅こそ、中東を楽しめる

日本からの旅行では、どうしても「詰め込み型」になりがちです。

しかし中東では、

  • 国境事情
  • 交通事情
  • 宗教・曜日の制約

など、日本の感覚が通用しない場面が多々あります。

ヨルダンもイスラエルも、小さな国ながら見どころは驚くほど豊富です。一国にじっくり滞在する贅沢を、ぜひ味わっていただきたいと思います。


まとめ

  • ヨルダン発エルサレム日帰り:おすすめしない
  • 金・土は完全 NG
  • 最低 1 泊 (丸 1 日のエルサレム観光を含む)、できれば 2 泊以上が理想
  • 「移動しただけ」で終わる旅は避ける

時間と体力、そして旅の満足度を守るためにも、無理のないプランを心からおすすめします。特に初めて中東を訪れる方ほど、移動距離だけで判断せず、現地事情を踏まえた旅程をお勧めします。

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