実はエジプトは「女一人旅」がしやすい国だった― 中東在住17年の私がヨルダンと比べてみた

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「エジプトで女一人旅なんて危険そう」…そう思っている人は少なくありません。

でも私は中東に長く住み、ヨルダンとエジプトの両方で暮らしてきて、まったく逆の印象を持っています。

実は、日常生活レベルではエジプトのほうが、ずっと一人で行動しやすい国なのです。

ヨルダンは「群れる」社会

私が初めてヨルダンに渡ったのは 19 年ほど前。当時、女性が一人で行動していると、こんな目で見られました。

「どうして一人なの?」「かわいそう」「誰かと一緒じゃないの?」

ヨルダンはベドウィン文化が強く残る国です。ベドウィン社会はもともと群れで生きる文化で、家族・部族・仲間と一緒に行動するのが基本。

だから「一人でいる女性」は、自立している人ではなく、

守られていない、心配な存在

として見られやすいのです。

コロナ以降、若い世代はずいぶんオープンになりましたが、それでも社会の深いところではこの価値観が生きています。

Group of young men relaxing with hookahs in a cozy, vibrant indoor lounge setting.

かつて私はこの群れる文化への息苦しさを

「アラブ男性は群れるのがお好き」

「群れる」文化と 「個」の文化と「おひとりさま」でいること

なんていうタイトルで、けっこう感情的に書き綴っていました。当時は、なぜこんなに疲れるのか、自分でもうまく言語化できていませんでした。

でも今読み返すと、そこに「群れる文化」と「個の文化」の衝突がはっきり見えます。

エジプトは「一人でいること」が普通

一方エジプト、とくにカイロはまったく違います。

カフェに一人で入る女性。スマホを見ながら一人で食事をする女性。仕事帰りに一人でショッピングモールを歩く女性。

こうした光景が、当たり前のようにあります。

エジプトは中東の中でも、女性の社会進出が進んでいる国です。もちろん家庭によっては保守的な考えもありますが、公共空間では「女性が一人でいる」ことがまったく不自然ではありません。

私はエジプトでは、周囲の視線を気にせず、一人でカフェに入り、一人で街を歩き、一人で気の向くまま動けました。

この「気楽さ」は、ヨルダンではなかなか得られなかったものです。

なのに、なぜエジプトは「女一人旅に危険」だと思われるのか

答えはシンプルです。観光地が特殊すぎるから。

エジプトの観光地は、

話しかける=ビジネス

という構造で動いています。

これについては、こちらの記事で詳しく書きました👇

観光地では、係員もガイドも売り子も通りすがりの人も

「この人から何か取れるか?」

という視点で近づいてきます。

だから女性一人だと、余計に声をかけられやすく、「危険」「うざい」「怖い」という印象が強く残るのです。

でもこれは、社会が女性に不寛容だからではなく、観光産業の構造の問題です。

観光地を離れると、エジプトは一気に楽になる

観光地の外に出ると、エジプトは別の国のようになります。

・一人で歩いても誰も気にしない

・カフェで一人で座っても自然

・女性が公共空間にいることが当たり前

この感覚は、ヨルダンよりもずっと強い。だから私の場合、「エジプトの観光地はうざい。でも、住みやすい」という少し矛盾した評価になります。

※治安についてはこちらも参考にしてください

このブログでは別記事で 中東全般の治安事情 を詳しく解説しています。

特に女性の一人旅で不安になりやすいポイントや、国ごとの実際の安全レベルを現地在住者の目線で整理しています👇

👉 中東の治安は? 女性一人旅でも大丈夫? 在住17年の私が語るリアルな現地事情と安心のコツ【2026年版】

エジプトは“攻略できる”一人旅の国

エジプトは、

・観光地では営業社会

・日常生活では意外と自由

という二重構造の国です。

このギャップがあるので、インターネット上では「エジプト人はうざい」「エジプトは最高!」などという真逆の意見が飛び交います。

どちらも間違っていません。見ている場所が違うだけなのです。

逆に言えば――

この構造さえ分かれば、エジプトはとても動きやすい国になります。

「ベドウィン」が問題なのではない

ちなみに、エジプトにもベドウィンはいます。シナイ半島や紅海沿岸には今も多くのベドウィンが暮らしていて、彼らは素朴で誠実な人々として、エジプト人からの評価も高い存在です。

実際、都会の喧騒を離れて、こうしたベドウィンの地域にあえて移り住むエジプト人も少なくありません。つまり、ベドウィンであること自体が問題なのではありません。

違いはそこではなく、その価値観が社会のどこまでを支配しているかにあります。

ヨルダンでは、「群れで生き、互いに守り合う」というベドウィンのルールが社会全体の暗黙の前提として広く共有されています。

一方エジプトでは、ベドウィン文化はあくまで一つの文化圏にとどまり、都市社会のルールを支配してはいません。

この違いが、「一人でいる女性」への視線の差として現れます。

変わりゆくヨルダン、変わらないもの

ヨルダンに住んでいた頃は、あの息苦しさの正体に気づいていませんでした。

でもエジプトという別のアラブの国で暮らしてみて、ヨルダンがいかに伝統と共同体のルールを重んじる社会かを実感しました。

「ヨルダン=アラブ」ではなく、ヨルダンはヨルダン人の国なのだ――

その当たり前の事実が、私にはとても新鮮でした。

いま、ヨルダンの若い世代や女性たちは、その伝統と個人の自由のあいだで揺れ動いています。SNSの普及とともに、社会は確実に変わりつつありますが、そのスピードは決して一様ではありません。

観光地では少しずつ「一人の女性」にも慣れてきた。けれど、日常の社会はまだまだ保守的…それが今のヨルダンです。

だから私は、エジプトを「一人で歩ける国」だと思う

エジプトの観光地は、たしかにやりにくい。でも、いったんその外に出ると、エジプト社会は驚くほどおおらかで、心地よい。

この二つの国は、まったく違うリズムで生きています。どちらにも良さがあり、どちらにも重い歴史がある。だからこそ、比べてみると見えてくるものがたくさんあります。

そして私は、一人で自由に歩き、呼吸できる場所としてエジプトをとても好きになりました。

ぜひ、あなたご自身の目で確かめてみてくださいね ☺

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