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ヨルダンには大小の旅行代理店が存在します。しかし、中には政府に認定されていない素人や、資格や登録のない個人が「旅行会社」や「自称ガイド」として関わるケースも報告されています。表向きはホームページを持っており、「会社」として案内されているものの、実態が伴わない場合があるため注意が必要です。
私はヨルダンに7年ほど住んでいた経験があるのですが、こうした違法業者の実態を身近で観察してきました。実際、違法業者からの嫌がらせなどの被害もかなり受けてきました。楽天ブログの方で 2015 年に情報を発信しましたが、2025 年版として最新情報をこちらにまとめます。

違法旅行会社や偽ガイドを見分けるポイント
1. 公式登録を確認する
ヨルダンの日本語ガイドの資格は、ヨルダン観光協会の公式サイトで確認できます。また、駐日ヨルダン大使館に直接問い合わせる方法も有効です。公式情報の確認は、信頼できる旅行会社選びの第一歩です。詳細は「中近東の日本語ガイド情報」のページ をご参照ください。
2.「ペラサイト」またはペラサイトに近い簡易サイトにはご用心
ペラサイトとはホームページの合計数が 1 枚だけというタイプのもの。ペラサイトに近い簡易サイトの場合、サイト内でリンクしているページはせいぜい 2、3ページ。こういうペラサイトは誰でも簡単に作れますが、中身はない。写真はふんだんに使ってボリュームを増していますが、内容が薄くて信頼性に欠けます。
3. 日本語の違和感をチェック
「あれ?」という日本語がサイトに少しでも出現する場合は、サイトの所有者が日本語ネイティブではなく、さらに会社を名乗った個人である可能性が大です。正規の旅行会社であれば、日本語サイトの品質は一定水準が保たれています。
4. ブログや口コミの確認
・定期的に更新されていないブログ
・内容が不自然なブログ
・リンク切れが多いサイト
こうした場合、情報の信頼性は低いです。ちなみに、ブログを探すのは簡単です。サイトと同じ名前で検索すれば出てきます。
また第三者の口コミも確認してくださいね。もし見つからなければその「会社」には実態がないということです。ヨルダンでは希少な日本語ガイドを名乗りながら口コミが全くない場合は、不自然です。
5. 会社案内・証明書を精査
日本に存在しない省庁名での「証明書」や、日本で会社登録されていないのに「日本の法律に従う」と書かれた案内は信用できません。「日本に支店がある」と書かれていても、登録や資格が確認できない場合は実態がない可能性があります。
6. ガイディング内容の確認
ホームページで「日本語ガイド確約」や「日本に住んでいたヨルダン人」などを歌い文句にしていても、実情は異なることがあります。ホームページの情報が口コミ等で裏付けされていない限り、鵜呑みにはできません。
もしお問い合わせになっているガイドまたは旅行会社が以下のような説明をする場合、明らかに正規のガイドではありません。
・「ホテルでのチェックインやチェックアウトは手伝えない」
・「ホテルの入り口でホテル内に入ることを拒否される」
・「ペトラでのガイドの役割はルート案内だけで、遺跡や歴史についての説明はしない」
ホテル等で立ち入りを拒否されるのは、ホテル側から見て「不審な人物」=「提示するガイドの資格証明・旅行会社の登録証明を持ち合わせてない違法業者」だけです。またヨルダンの目玉であるペトラで遺跡や歴史に関する説明ができないとなると、それは言語能力がほとんどないか、知識が不足している自称ガイドであると結論付けることができます。
違法業者を使うとどうなる?
こうした違法な経営者はヨルダンでは大目に見られています。ヨルダンはコネの社会。違法でも、コネさえあれば何とかなってしまうという実情は否定できません。また違法操業者もあの手この手で逃げ道を作ります。観光客などと問題を起こしてしまったら観光局も介入せざるを得ませんが、問題を起こすまでは断固とした行動は難しい状態。
そこで大変なのがツーリストのほう。問題が起こってからでは遅すぎるのですが、問題が起きるまでは法的な対応が期待できません。また日本人の方は、問題が起きても泣き寝入りするのが常で、被害の全容がなかなか明らかにならないという難点があります。そのことをよく知っている悪質な業者は、いったん日本人ツーリストが現地に入ったら、言語ができないことを利用する行動を取ることがあります。

政府に認定されていない素人のしかも違法な個人の場合、お客様の方からすれば「旅行会社」を通して旅行を手配しているつもりでも、実際には旅行会社を通しての手配とは認識されません。例えばこうした違法業者が手配した車に乗っていて事故に遭ったような場合、お客様への補償は何もありません。ですから、こうした違法業者をご利用になるのはかなり危険と言えます。
さて、ではどうしたら良い旅行会社を選べるのでしょうか? 以下にいくつかコツを挙げてみます。
信頼できる現地旅行会社を見分ける方法
複数の口コミを確認
口コミはとても大切です。とはいえ、サクラであることもあります。サクラとは、違法経営者が自分で自分のことをあたかも口コミであるかのように見せかけて宣伝するというケースです。それで、書かれた時期や具体的な内容などに注目していただくことは大切です。以下のような点に注目してください。
・内容が具体的で時期が明確なもの
・日本語で書かれていること
・旅行体験が詳しく記載されていること
お客様からのフィードバックを HP 上に載せているかどうか
上記の点とも関連していますが、実態がある旅行会社の場合、しっかりじっくりと旅行のご感想が綴られているフィードバックがホームページに幾つも記載されているはずです。「ありがとうございました」などの短いコメントでは不十分です。
またホームページには実績が載せられているべきで、その実績にはきちんとした裏付けがあるべきです。でないと単なる「大言壮語」になってしまいます。
メールでのやり取りで確認
具体的な質問をして、的確な回答が返って来るかを確認しましょう。複数の会社に同じ質問をすることで、情報の正確さも測れます。
価格相場を知る
旅行会社のレベルを測る上で、実はお値段も大切です。値段を押さえたいというお客様のお気持ちは分かります。でも安すぎる料金には理由があります。プロのドライバーやガイドは自分を安売りしたりしません。
相場に満たない安い値段で合意するドライバーというのは、他社で使い物にならない (つまりセクハラなどで首になっている) とか、単なるアルバイトで本業は全く別・あるいは本業の仕事がないなどの理由があるために自分を安売りするのです。ですから、安いからというだけの理由で飛び付かれると、後から大変な問題に巻き込まれる場合があります。
複数の見積もりで相場を把握することをお勧めします。
旅程表の自然さをチェック
短い日数で出来るだけたくさんの見どころを回りたいと思われる方にとっては、旅程表にたくさん詰め込んであれば嬉しくなってしまうかもしれません。しかし、短期間で無理な行程が組まれている場合は、素人業者の可能性があります。プロから見れば「絶対に無理」という行程になっていることがあります。
これを見極めるためには、やはり複数の旅行会社に同じ行程を問い合わせ、現実的かどうか確認するのが一番かと思います。準備段階でしっかり状況を把握するか、現地で泣くか…。どちらが良いかは言わずとも知れていますね。

ヨルダン政府の取り締まり
ヨルダンでは、資格を持つガイドは半年以上の講習を受け試験に合格しています。優れた言語力も求められます。資格証明書を携帯しており、ガイドであることが誰にでもわかるようになっています。
ですからホテルで立ち入りを禁止されるなどということはありませんし、遺跡や歴史に関する説明もきちんとできます。もちろん日本語がカタコトであるはずはありません。当たり前ですけどね…💦
ヨルダン観光局もヨルダンガイド連盟も、違法性が確認されさえすれば違法な営業者には罰則を準備しています。旅行前や旅行中にお気になられる点があれば、駐日ヨルダン大使館やヨルダンの観光省に問い合わせて確認することもできます。
まとめ
・ホームページの情報だけで判断せず、口コミや公式登録情報を確認する。
・口コミは日本語で、具体的な体験談を重視。
・価格や旅程の妥当性を複数の会社で比較する。
・疑わしい場合は予約を控え、安全な旅行会社やガイドを選ぶ。
安全で楽しいヨルダン旅行のために、信頼できる現地旅行会社やガイド選びを最優先にしてくださいね。